愛の裏側
第2章 *奪われたハジメテ
本当に、恋人同士になった気分だった。
服屋で気に入った服を試着して、「これどうかな?」なんて聞いたら、
「可愛い、似合ってるよ。 けど俺的にはこっちが好き」
と、違う服を差し出してくれたり。
それがまた私の好きな系統の服で、気に入って結局どっちも買っちゃった。
あっきーとは出来なかったことができた。
それも、学校一のモテ男といわれる浅桐先輩と。
帰り道、夕焼け空の下を二人で手を繋いで帰って。
「私、今日凄く楽しかったです。また、行きませんか?」
「…あぁ。また今度、な」
その返事に、ぱあっと笑顔になる私を見て、浅桐先輩はふっと笑う。
今日は、
初めて浅桐先輩とデートをして、
初めて浅桐先輩とクレープを食べて、
初めて浅桐先輩の色んな表情を見た。
これで私達の距離が、少しでも縮まってたらいいな、
そう思うよ。