テキストサイズ

愛の裏側

第3章 *すれ違う心

 





教室に着くと、私はすぐに未央を探した。




嫌われたくないとか、無視されたら、とか、そんなの考えるより先に、やってみなきゃわかんない。





でも未央はどこにもいなかった。











「…えーっと、今日の休みはー…佐々倉さんね」



「……未央…」










どうしたんだろう。


熱でもあるのかな?




今日…お見舞いに行こう。





未央がいなきゃ、やっぱり寂しいよ――…。






 :

 |

 *

 |

 :









「先輩っ!あの…今日の放課後って、空いてますか?」








振り返ると、そこには蒼くん。




首をかしげる私に、彼はふっと笑って口を開いた。









「ちょっとしたいことがあって」



「え、な、何?」



「…それはここでは言えねぇ」








呆れ気味にそう言うと、少ししまった、というような顔をした。








「空いてるけど…」








でもちょっと、そう言い掛けたとき、彼の言葉に遮られた。








「よし、じゃあ決まり!…んーと、じゃあHR終わったら教室で待ってて!」



「……わかった」









その真っ直ぐな目に、NOとは言えなかった。




 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ