
愛の裏側
第3章 *すれ違う心
教室に着くと、私はすぐに未央を探した。
嫌われたくないとか、無視されたら、とか、そんなの考えるより先に、やってみなきゃわかんない。
でも未央はどこにもいなかった。
「…えーっと、今日の休みはー…佐々倉さんね」
「……未央…」
どうしたんだろう。
熱でもあるのかな?
今日…お見舞いに行こう。
未央がいなきゃ、やっぱり寂しいよ――…。
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「先輩っ!あの…今日の放課後って、空いてますか?」
振り返ると、そこには蒼くん。
首をかしげる私に、彼はふっと笑って口を開いた。
「ちょっとしたいことがあって」
「え、な、何?」
「…それはここでは言えねぇ」
呆れ気味にそう言うと、少ししまった、というような顔をした。
「空いてるけど…」
でもちょっと、そう言い掛けたとき、彼の言葉に遮られた。
「よし、じゃあ決まり!…んーと、じゃあHR終わったら教室で待ってて!」
「……わかった」
その真っ直ぐな目に、NOとは言えなかった。
