闇夜に輝く
第16章 営業後ミーティング
珍しく増田さんの弱気な面を見た。
そしてまた話し続ける。
「実際、会議の場でいっそのこと西野に一店舗を任せてしまってはどうかという話もあったんだ。有能な奴をマネージャーに置けば可能だろうって。話の出どころは部長だけどな。要は西野を上層部扱いにして甘言を持って部長サイドに取り込もうって腹づもりだった。この業界は能力主義と言っても、現場は実務能力主義、上層部は政治能力主義が強いからな。だけど西野の事を考えると、このまま店を持たせたところで部下が誰も付いてこないのは目に見えているし、擦り寄ってくるのは背後にいる社長目当ての奴ばかりになってしまう。俺は西野に憎まれてでも、あいつ自身がちゃんと認められる男にならなければいけないと思っている。じゃないとウチの会社自体も腐ったものになっちまうと思うし。だから甘やかす事はしない。社長もその辺は理解してくれているから急かすような事は言ってこないんだ」
それを聞いた坂東さんが顎髭を撫でながら呟く。
「相変わらず複雑な問題が絡んでいますね。知らないのは西野だけか…」
少しだけ沈黙が続く。
そしてまた話し続ける。
「実際、会議の場でいっそのこと西野に一店舗を任せてしまってはどうかという話もあったんだ。有能な奴をマネージャーに置けば可能だろうって。話の出どころは部長だけどな。要は西野を上層部扱いにして甘言を持って部長サイドに取り込もうって腹づもりだった。この業界は能力主義と言っても、現場は実務能力主義、上層部は政治能力主義が強いからな。だけど西野の事を考えると、このまま店を持たせたところで部下が誰も付いてこないのは目に見えているし、擦り寄ってくるのは背後にいる社長目当ての奴ばかりになってしまう。俺は西野に憎まれてでも、あいつ自身がちゃんと認められる男にならなければいけないと思っている。じゃないとウチの会社自体も腐ったものになっちまうと思うし。だから甘やかす事はしない。社長もその辺は理解してくれているから急かすような事は言ってこないんだ」
それを聞いた坂東さんが顎髭を撫でながら呟く。
「相変わらず複雑な問題が絡んでいますね。知らないのは西野だけか…」
少しだけ沈黙が続く。