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闇夜に輝く

第16章 営業後ミーティング

増田さんはビールをグイッと煽ると何かを決したように言う。

「新人の二人がいる前なのにこんな話をしたのはな、西野を降格させることで、今度の全体会議で俺は部長に糾弾されるはずだ。その時にこちらが対抗できる武器としては売り上げだ。幸いみんなのおかげでグレイスフルに次いで2番目の売上高でここまで来ている。
今のところ部長の出身店舗であるレッドローズよりも上なのはかなりでかい。
そしてこの好調を維持する為に、西野の降格を決めた。西野は的確に指示してくれる人がいて、やるべき事が限定されれば素早く行動できるスキルはあるんだ。だからそう動けるように協力してやって欲しい」

それを聞いた山田君は無表情。
秋山さんは微妙に渋い顔をする。
それを察したであろう優矢くんが発言する。

「そこまで協力して俺らに何のメリットがあるの?西野さんが性格的にも能力的にも難があるのは多分みんなわかり始めてると思うんだけど。何故か俺にはヘコヘコするのに海斗さんにはかなり嫌味っぽいし、山田君と秋山さんにはやたらと高圧的だし」

その言葉に坂東さんも同調する発言をする。

「確かに、西野がいなくなると人数的に厳しいのは分かりますし、増田さんの置かれている立場も理解できます。ただ、今の話だと増田さんと西野の為にみんながガマンしろと言われてるような感じですね。一体この店は誰のための店なんでしょうか」

珍しく坂東さんまで増田さんに反論している。
それだけ今日の西野さんの振る舞いも含めて、普段からの言動があり得ない事の連続だったのかもしれない。

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