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闇夜に輝く

第32章 戦場のメリークリスマス


海斗は咲さんと同伴してきた神谷様の様子を伺う。
神谷様が来店される際は、毎回20時半に咲さんと同伴し午前1時にキッチリ帰る。
そしてなぜか0時のタイミングで咲さんが席についていない場合はセット時間に関係なく早めに帰ってしまう。
そんな変な所にこだわりのある、少しクセの強い客。

今その席に付いているキャストは派遣で来ているナナさんというキャスト。
顔は可愛いが、接客スキルがどれだけか分からない。
フォローも兼ねて海斗は立膝のまま神谷様に向かって挨拶する。

「お話中、失礼ます。私、副主任の筑波海斗と申します」

そう言って海斗は名刺を差し出す。

「どうも。そう言えば君と話すのは初めてだったね」

「はい、日頃、神谷様とはお話ができればなと思っておりましたが、なかなか機会がございませんでした。本日はご挨拶だけでもと思いましてお伺いしました」

「へぇ、何で話したいと思ってたの?」

「先日、お越しになった時にルコックの新作シャツを着てらしたのでカッコいいなと思っておりました」

「おっ、君はゴルフをやるのかい?」

「まだまだ始めたばかりで、練習場へしか行ったことがありませんが。けれど、ゴルフショップにはよく行くようになりました。その時に新作で展示されていたルコックスポルティフのウエアがとても印象に残っておりましたので。以前はデサントのトレーニングウエアも着てらしゃいましたよね?ですからアクティブな方とお見受けしておりました」

「おー、そうかい。ちなみにデサントは何のメーカーかわかるかい?」

「デサントはウインタースポーツのイメージがありますが…」

「そう!わかってるねー。オレはスキーも好きでね。先週も行ってきたんだよ」

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