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闇夜に輝く

第32章 戦場のメリークリスマス

そう言って神谷様は北海道へスキーに行った話をし始めた。
海斗も頭をフル回転させて話題を合わせる。

「スキーですか。私は学生の頃、スノーボードを少しだけしたことがあります。スキーの場合、今はカービングスキーというのが主流と聞きましたが」

「そうだね。先が太くなってたりして、20年前くらいに出回り始めたんだよ」

「それまでのものと何が違うんですか?」

「抜群にターンしやすくなったね。疲れないし」

「そうだったんですか。勉強になりました。スキーヤーの神谷様からしたら私のようなスノーボーダーは邪魔ですよね」

「そうだなぁ。障害物みたいに思ってる」

「私も最初ゲレンデであの光景を見たとき、アザラシの日向ぼっこかと思いました。斜面の至る所に座り込んでるんですから。でも、実際にやってみて分かりました。思うように動けず、結局私も日向ぼっこの状態でした」

「ははは、アザラシの日向ぼっこね。なかなかうまい事を言うなぁ。今度はそういう目で見よう。少しは気にならなくなるかもな。そうだ、君も一杯飲もうよ」

「ありがとうございます」

インカムでシャンパングラスを持って来るように頼もうとすると、既に山田君がグラスを持って待機しているのが見えた。

そのまま、山田君にシャンパンを注いでもらい、5分程、神谷様とヘルプのナナさんと3人で会話をする。
ナナさんもスキーやスノーボードをするらしく、その話題で盛り上がっていた。
というか、ウチのC、Dランクの子よりよっぽど会話が上手い。

この感じなら延長も大丈夫だろうと思いシャンパンを飲み終わったタイミングで席を離れた。

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