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闇夜に輝く

第33章 クリスマスパーティー

カウンターを見るといつもの席に優矢君が座り、カウンターの中に洋子さん、優矢くんの周りをキャスト達が丸イスを持ってきて囲んでいた。

そしてカウンターの端っこの方に山田君が居る。

その近くのフロアのテーブル席に増田さんや坂東さん、西野さん、秋山さんと残りのキャスト達が集まって飲んでいた。

基本的に今集まってるキャストはBランク以下のキャストばかり。
海斗の担当キャストは潰れているリンさんと、カウンターにいる真紀さん、サラさんのみ。

他のキャストはアフター、もしくは帰ったっぽい。
店のルールとして、アフターの強制はしない。
すんなり帰れなくても店としては責任は取れない。
だからアフターに行くも行かないもキャストの自由。
けれど、業界経験が浅すぎるキャストには行かないように指導している。
咲さんにも入店当初はアフターを禁止していたが、最近は咲さん自身の判断に任せている。

海斗は山田君の隣に座り、カウンター内を見る。
洋子さんがカウンターの中にパイプイスを持ち込み座りながら飲んでいた。

「洋子さん、完全にスナックのママじゃないすか」

「失礼ね、ガールズバーって言ってよ」

「…ごめんなさい。俺が間違ってました」

「そうそう。気を付けなさい。じゃないとお酒を濃いめにしか作らないわよ」

「うわぁ気をつけます。じゃあママ、ジンジャーハイボール」

「って、コラコラ。それは濃いめに作れってことかしら。いい度胸じゃない?」

「いゃ、調子に乗りました。普通でお願いします。営業中もかなり飲んでたんすよ」

「はいはい。わかってるわ。心配しなくてもちゃんと作るわよ。はい、どーぞ」

「早くないすか?」

「だって海斗はいつもジンジャーハイボールじゃない」

「さっすが、洋子さん。いただきます。山田君もお疲れ様」

そう言って隣の山田君と乾杯し、グラスを持って増田さんの所へ行く。座る場所がないので立ったまま

「お疲れ様です」

と乾杯してまたカウンターへ戻る。

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