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闇夜に輝く

第33章 クリスマスパーティー

真紀さんがさっきまで山田君が座っていた位置に移動して聞いてくる。

「海斗さんの妹ってどんな子かなぁ。楽しみ」

「普通の中学生だよ」

海斗がそう答えると、洋子さんがすかさず言い返す。

「何言ってんのぉ。若菜ちゃんめちゃくちゃ可愛いじゃなーい。お姉ちゃんとしては悪い虫が付かないか心配ね」

「てゆーか洋子さん、いつの間に若菜とそんなに仲良くなってたんですか?」

「夏からよ。一緒に出かけたりするもの。でもちゃんと買ったものは海斗に報告するって言ってるし、私が何か買ってあげようとしても断るのよねぇ。変に高いものとかを持ってるとお兄ちゃんが心配するからって」

「いや、本当にありがとうございます。俺、全然構ってやれないし、女の子の趣味とか行きたい所とかよくわからないんで、助かります。それに隠れて変な大人と付き合って欲しくはないですしね」

「そうねー、今のところは大丈夫そうよ。とってもいい子だし。だけど周りがほっとかないかもねぇ。最近どんどん可愛くなってるから」

洋子さんは小悪魔のような笑みで危機感を煽ってくる。

海斗は、その妖しい目を見ないように目を瞑ったまま答える。

「んー、どうなんですかねぇ。でも夏くらいから若菜が結構明るくなったんすよ。最近は何か変わったなぁって思う事が多くて」

「ふふふ、ちゃんとお兄ちゃんぽくなってきたじゃない」

「えー?そうっすかね。でも、最近は若菜ともよく話します」

そんな会話をしていると入り口の方が騒がしくなった。

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