テキストサイズ

闇夜に輝く

第34章 海斗の変化

若菜は覚束ない手つきでグラスにウイスキーを注いでいく。明らかに量が多い。

「ちょ、それ多くない?」

「え?」

海斗が声をかけると、若菜が驚いて慌てて手を止める。
すると洋子さんが横から割り込んできた。

「ちょっとくらい濃くったって大丈夫よ〜。後で愛情濃いめで作りましたって言えばいいんだから」

「えっ、でも…。」

「ちょ、洋子さん、中学生に何を教えてるんすか!まぁ、初めて作る酒だしな。いいよ、そのままで」

そしてジンジャエールをゆっくり注ぎ軽くステアし、海斗の前に出された。

「ほら、ちゃんと言わないと〜」

洋子さんがニヤニヤしながらチャチャを入れる。

「え?あっ、愛情濃いめです」

はにかみながらそう言う若菜。
海斗は一口飲んで笑顔で言う。

「うん、うまいよ」

ホッとした表情を浮かべる若菜を見てみんなから笑いが起きた。

その後も明るくなるまで忘年会兼クリスマスパーティーは続いていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ