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闇夜に輝く

第36章 スノボ旅行



レストランに戻り、山田君と若菜にも話をする。

「私は一緒でもいいけどまだあんまり滑れないから迷惑かけちゃうかも。もし、ついて行けなそうなら一人で練習しててもいい?」

若菜がそう提案すると山田君が応える。

「その時は俺も若菜ちゃんと一緒に初心者コースで練習してますよ」

「山田さんだってもう滑れるし無理に私に付き合ってもらわなくて大丈夫ですよ」

「いや、俺も自信ないし、もしその子達が上手かったらカッコ悪いじゃん」

「あはは。山田さんは優しいですね〜」

そんな感じで合流する事には反対はされなかった。
海斗はナナさんに連絡しようと携帯を取り出すと、山田君に肩を叩かれる。

「海斗さん、ちょっといいですか?」

そう言われてテーブルから少し離れた場所に呼ばれた。

「若菜ちゃんはああ言ってますけど、本当は海斗さんともっと滑りたいんだと思います。だけど中々言えなくて我慢してるというか…。早く上達したがってるのも海斗さんと一緒に滑りたいからだと思います。なので、ちょっとその辺も考慮してもらえないかなと思いまして…」

「えー、そうかなぁ?だって山田君達イイ雰囲気じゃん。あっ、もしかして俺らが山田君に若菜の面倒を押し付けちゃってる?」

「全然そうじゃないです。若菜ちゃんはまだ中学生だしこんな事を海斗さんに言ったらダメだってわかってますがこの際、正直に言います。俺は本気で若菜ちゃんが好きです。二人でいられるのはすごく嬉しいです。だけど若菜ちゃんは海斗さんの事が本当に大好きなんですよ。だから若菜ちゃんの気持ちも大事にしてあげたいんです」

「あ、う、うん。」

普段と違い、物凄い真剣な眼差しの山田君。
本気度が伝わってきて海斗がたじろぐ程に。
今にも「妹さんを下さい!」とでも言われそうな雰囲気を出している山田君がちょっと面白かった。


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