闇夜に輝く
第36章 スノボ旅行
お陰で次の日の午前中はダラダラと過ごしてチェックアウト後に午後また滑ってスノボ旅行は無事終了。
帰りは優矢君以外は筋肉痛で身体がバッキバキになり、サービスエリアでトイレに行くのも一苦労。
やっとの思いで家まで着くと海斗と若菜はリビングにうつ伏せに寝転がった。
「若菜、ちょっと背中押して」
「乗ればいい?」
「うん頼む。ってやっぱダメ。今乗られたら確実に叫ぶ」
「えい!」
「いだっだだだっ!指!指で押してって!」
「あはは。ナナさんにデレデレしてたバツだー」
「俺?してた?」
「してたよー。鼻の下が30メートルくらい伸びてたよー」
「マジか!それで鼻血出てたら完全にハリウッドの赤絨毯じゃん」
「あっははは!何それ、マジウケる。でもお兄ちゃんはそうでもなかったよ」
「お兄ちゃんはって事は、まさか優矢君?」
「んーと、女の人達の方が優矢さんに対して目がハートだったよね。それにナナさんは途中からお兄ちゃんに目がハートだったよ」
「え?マジで?ナナさんが?」
「やっぱりねー。お兄ちゃんは鈍ちんだねー。まぁだから安心して見てられたけどね」
「なんだよ。若菜はナナさんダメ?」
「ダメじゃないけど、お兄ちゃんの彼女はもっと綺麗な人がいい」
「いやいやナナさん美人だろ。頭も良いし才色兼備って感じだけどなぁ」
「え?お兄ちゃん、ナナさんの事好きになっちゃったの?」
「そうじゃないけど、あんまり高望みしてると俺多分一生彼女できないぞ?」
「そんな事ないって。妥協するくらいなら彼女なんていなくてもいいんじゃない?」
「妥協ねぇ。理想が高すぎてもダメだろ。完璧な人なんていないしな。それより若菜はどうなんだよ」
「どうって?」
「山田君とチューぐらいはしたんかって?」
「してないし!そんなんじゃないもん!」
バンバンと海斗の背中を叩いて否定する若菜。