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闇夜に輝く

第38章 同伴トラブル



すると坂東さんが海斗の方を見る。
それまでのド迫力を若干抑えた口調で言う。

「海斗、この車が邪魔だからちょっとどかしてくんねえか?免許、あるよな?」

「は、はい」

坂東さんのあまりの豹変振りにびっくりする海斗だったが、言われたとおり運転席に乗り込み、ゆっくりと車を動かした。

すると後輪が何かを踏み越えたような感じがした瞬間、外から叫び声が聞こえた。

あわてて車を止め、ドアを開けて振り向くと、坂東さんにうつぶせに押さえ込まれている相良の右腕が変な方向へ曲がっていた。

どうやら相良の腕を轢いてしまったみたいだ。

坂東さんが満面の笑みでサムズアップしていたが、こんな恐ろしい笑顔を見たのは生まれて初めてかもしれないと海斗は思った。

「海斗、ナイスだ。俺はこいつを連れて行くから、戻るまで店内業務を頼むな。それからこの車はパーキングに入れといてくれ」

「りょ、了解です」

そうして坂東さんは血まみれの相良をヘッドロックしたまま繁華街のほうへ消えていってしまった。


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