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闇夜に輝く

第39章 付け回し



海斗は1番、3番、8番、16番テーブルから接客中のキャストを一人ずつ抜く。

が、なかなか席を立たない。

キャストも場内指名を取るために最後の営業をしているからだ。

今、抜いた4人のキャストのうち2人はマイナス接客でもがんばってくれるキャストで楓さん、もう一人は美香さん。

海斗はこの2人を新規客のファーストで接客させようと考えていた。

そうこうしている内に優矢君がエスコートしながら新規客が店内に入ってくる。

海斗は素早くその新規客の3人を確認する。
そして瞬時にどの客にどのキャストが合うか考える。
そして誰が一番最初に席に座るか、また、優矢君がどの客と話をしているのかも確認。

角の席のソファー側に座った客にイニシアチヴがあるように見えた。

そのとき、坂東さんからインカムが入る。

『5番テーブル1時間延長、1時間です』

『わーぉ、りょ、了解です』

実は5番テーブルはチェックになるだろうと思っていたから少し予想外。
これで、最低20分間キャストのマイナス5が確定。

さらに16番テーブルの女の子がフロアのボーイを呼ぶ。

「おねがいしまーす」

「はい!只今!」

16番テーブルで接客中の楓さんが手のひらを2回下に下げた。場内指名の合図。

付回しの海斗としてはうれしい悲鳴。

もうしばらくは楓さんをその席に着けなければならない。よって、新規客のファーストへは違うキャストを手配し直す。



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