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闇夜に輝く

第42章 お好み焼き



21時過ぎに、会計をしてもらった。
これ以上夜遅くに未成年を二人も連れて街中をウロウロして、警察に止められてしまったら本末転倒になってしまう。

店を出ると2月の寒風が肌に突き刺さる。

すかさず結衣菜さんは身を屈めながら海斗を風除けにして隠れる。

「うわぁちょー寒いじゃん!タクシーで帰ろうかなぁ」

「駅前のタクシー乗り場までは頑張ろうな」

「うぃ〜。ってゆーか、海斗さんの私服オシャレですねー、オシャレ工場長です」

海斗のコートを掴んだまま渋々歩き出した結衣菜さんが、また訳のわからない言葉を発する。

「あー、これは優矢君の真似してるだけだから。ってゆーかオシャレ工場長ってどうなの?微妙ってこと?」

「えーと、オシャレを出荷する工場の工場長は偉い人だから、凄いオシャレって意味です」

どうやら結衣菜さんの中では工場長は凄い人らしい。基準がよく分からない。

今の海斗の格好は
ボルドーのスキニーパンツ、白いイタリアンカラーシャツ、ネイビーのスタンドカラーカーディガン、グレーのチェスターコート、黒のローファー、白とネイビーのツートンカラートートバッグで、総額15万円ほど。

工場長っぽくはないはすなんだけどなぁと思いつつ、最近はよく優矢君と一緒に服を買いに行く事を思い出した。
それまで服がこんなに高いものだなんて知らなかった。


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