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闇夜に輝く

第47章 新体制



しかし、増田さんは変わらぬ口調で坂東さんに語りかける。

「確かにここ最近、海斗のキャスト管理に対する働きぶりは誰もが認めるところだ。だけどな、俺たちの仕事はそれだけじゃないだろう。客やキャスト、ボーイ達の信頼感は海斗よりお前の方が上だ。そしてお前は付け回しに私情を挟まなかった。役割を全うした。キャスト管理だって坂東の成績が落ちた訳じゃない。海斗の担当キャストが上がったんだ。お前は毎日の出退勤を含めて全てのキャストを見ていた。その中で自分の担当キャストの成績も落とさなかった。俺は心からお前を評価している。この店の屋台骨はいつだってお前だよ。だからみんなが力を発揮できるんだ。そんな事はみんな分かってる。さっき海斗と話したが、海斗もお前を上司として認めているよ」

下を向いたままその話を聞いていた坂東さんが顔を上げた。

増田さんがニコリと屈託のない笑顔を見せる。

「俺はお前にマネージャーを任せたいんだ。引き受けてくれるか?」

「わ、わかりました」

増田さんの熱のこもった言葉に圧されるような形で坂東さんは困惑しながらもマネージャー昇格を引き受けた。

海斗が拍手を送ると他のボーイ達も次々に拍手を送った。


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