テキストサイズ

闇夜に輝く

第48章 エースとして



それから、客の事だけを考えてキャストを付けていた。

そこには公平さや平等などない。出勤してきた順にキャストを付けるなんて下策。

だけど不満もでる。

接客頻度の高いキャストはあからさまに面倒くさそうな顔をしながら、

「また私?他にもいるじゃん!」

と言ってくるし、
使われないキャストは

「贔屓が凄くない?付き合ってんの?」

と嫌味を言ってくる。

けれどそんな言葉を気にしてキャストの顔色ばかり伺っていると、どんどんワガママになる。

大切な事は『動じない事』。

真剣に客との相性だけを考える。
それがブレなければ、文句を言いつつも指示を聞いてくれる。
真剣に話す場面と、おどけたり笑ったりしながら世間話をする場面にメリハリを付ける。

最近になってやっと海斗もそれが出来るようになってきた。
それもこれも、ここ2ヶ月、坂東さんに毎日の様に相談し、助言をもらっていたおかげである。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ