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闇夜に輝く

第49章 衝突



結衣菜さんは上を向いて首をかしげる。
普通の人は羞恥心が邪魔をしてこんなコケティッシュには出来ない。
また、演技しているわけでもないのでわざとらしさもない。

「そういう仕草を接客中でも出来ないか?それから年配の客には一生懸命頑張る子供みたいな雰囲気で。さらに年配の客には久しぶりに遊びに来た無邪気な孫みたいな。要は変に大人ぶらなくていいんだよ。店の雰囲気に飲まれて無理矢理イイ女っぽくすると結衣菜の場合おかしな感じになる。もっと今みたいに素直でいいよ。年配の人に応援してもらえるような優しくて素直で、ちょっとほっとけない子をトコトン突き詰めてみるのはどう?」

「えー、だっておじさん苦手。普段から怒られた経験しかないもん」

「それは結衣菜がおじさんを毛嫌いしてるからじゃないかな。でもここはどこだ?キャバクラだろ。キャストはみんな口うるさいおじさんが嫌いだよ。だって優等生だった人なんて少ないんだから」

「まぁそうかぁ。みんな待機席では愚痴ばっかりだもんね」

いつもの待機席を思い出した様子の結衣菜さん。


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