ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第9章 二人だけの卒業旅行
か細い声を漏らす咥内をこれでもかと舌で掻き回す。
苦しそうに顔を歪めながらでも、両腕はしっかりと俺の首の回りに絡めていた。
息を整えながら唇を離すと、互いの唇の端から銀色の糸が名残惜しそうに消えてゆく。
その残像を手繰り寄せるように伸ばされた指先が俺の唇に触れる。
「あの…俺…もう…」
我慢が出来ない、と、言いかけた俺の唇に置かれた指先が、唇の結び目をす、と左右に動いた。
千「その前にすることあるでしょ?」
色っぽく笑う彼に、不覚にもうっとりしてしまう。
千「圭太が僕にイタズラなんかするからこんなに時間がかかってるんじゃないの?」
「イタズラ、って…」
ただの前戯だろ?って言いたかったけど、機嫌を損ねられてせっかくのチャンスを水の泡にしたくなかったから、そこは言葉を飲み込んだ。
千「して?」
「は?」
千「圭太が…その…解して?」
恥ずかしそうに俯きながら、ローションが入った容器を手渡される。
千「アソコに指入れられるのはあれだけど…かといって自分でするのも何だかマヌケだし…」
いや…それはそれでエロい千陽さんが見れて興奮する…じゃ、なくて。
…って、俺、どんどん妄想が変態になっている気がする…。