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本当なら、圭太の腕力を持ってすれば細っこい僕なんて簡単に引き剥がせるだろうに、



そうできないのは、圭太が無意識に僕の愛撫を気持ちいいと思ってるからだろう。



「言って？気持ちいい、って？」



両手で顔を上向けさせ、本当に今にでも泣き出しそうな目を見つめながら囁く。



でも、真一文字に結ばれた唇からは言葉が出てくることもなく、



熱を含んだ瞳を重い瞼が覆い隠して、それらからは気持ちを窺い知ることは難しかった。



「ねぇ、お願い……」



甘く見つめ、甘い言葉を添えながら下唇を食むようにキスをし唇を優しく開かせる。



歯列をそっと撫でると、待ち構えていたように絡められる舌先。



その心地よさを堪能し尽くすことなく離れるとまた詰問を繰り返す。



「まだ……言う気にならない？」



ズボンの上から握りこもうとした時、圭太の手が僕の手に重なった。



圭「直接…触ってよ？」



重ねた手を自身に導く。



圭「あなたのこの手でもっと気持ちよくして……」



重く閉じていた瞼が開いて熱っぽく見つめられる。



圭「あなたの…好きにしていいから…俺を…」


「……。」



ねぇ、それ、って…



偶然とはいえ、元カノと鉢合わせてしまったことに対する罪ほろぼしのつもりで言ってるの？