
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第14章 迷宮の中で
困ったように笑うと君は拗ねてしまった。
大人に反発する子供さながら、尖らせた唇を乱暴に押し付けるようなキスをするけど、
そのキスは、宥めすかすように優しく受け止めてあげると互いの唾液で濡れた唇が甘く感じるほどのキスに変わる。
ねぇ…圭太。
君はいつまで僕を好きでいてくれる?
僕はいつまで君を好きでいていい?
僕たちはいつまで一緒にいられる?
つもり積もった不安に押し潰されそうになるけれど、
ずっと、言い聞かせていたことだから、と、言葉に出さないようにしていた。
圭「俺…どうしたらいい?」
啄むような優しいキスを繰り返しながら君が言う。
圭「何でもするから、言って?」
まるで、餌を催促する雛みたいに唇を啄みながら見上げてくる目に胸が締め付けられる。
「このまま…」
彼を抱き寄せ広い裸の胸に自分の体を押し合て囁く。
「このままずっと…」
言葉にしてはいけない想いが頬を伝う。
圭「ずっと…何?」
視界から消えた圭太の肩に、僕の足が担ぎ上げられるのが見える。
「ひ……っあ…」
僕の入り口に温かくてネットリしたものが這う感じに体がびくっと跳ねた。
「ぃや……あ……あ…あっ…」
チロチロと動く舌に建前という壁が溶かされていく。
本音が丸裸にされる。
このまま……このままずっと……
「あ……あ………ぁ…」
僕の側にいて………
