
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第16章 ハロウィン狂想曲
慎「あっ!!このバカ、摘まみ食いなんかしやがって?」
千「ケンカしないの!!たくさんあるから?」
千陽さんの一声で笑えるぐらい大人しくなる大木兄弟。
千「じゃあ、京四郎くん、お皿出して?」
立ち上がってキッチンに向かう千陽さんの後ろ姿を見て俺は驚愕した。
し、し、尻尾!?
千陽さんに尻尾がついてる!
千陽さんが歩くたびその真っ白な尻尾が腰元で艶かしくゆらゆらと揺れた。
尻尾なんて、エロすぎだろ!
キッチンでドラキュラと談笑する猫の妖怪もどきに見惚れていると、後ろから肩を叩かれた。
「な、何だよ!?」
慎「安心しろ。俺らは適当なタイミングで失礼するから。」
頭に矢が刺さった状態で慎之介がニヤリと笑う。
…ちょっと怖い。(←笑)
千「お待たせ。食べよっか?」
京「やったぁ♪」
慎「いっただきま〜す♪」
さっそく口一杯に頬張る大木兄弟とは対照的に、千陽さんは甲斐甲斐しく小皿にご馳走を取り分けてくれた。
千「はい。」
「あ…ありがとう。」
千「遠慮なく食べて?」
そう言って猫耳を付けたまま上目遣いで笑うあなたを早く食べたいと思う俺だった。
