
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第22章 薔薇と百合の一夜 ②
こんなことになるなら本当のことを言えばよかった、と、
痛みと寒さにうち震えながら枕を涙で濡らした。
もう…遅いのかな?
元には戻れないのかな、僕たち?
それなら……それならばいっそ、このまま…
このまま彼女と、
彼女とこのまま普通に繋がりあってもいいんじゃないか、って思い始めている自分がいた。
そう思ったら、僕の肌に吸い付いて離れない彼女の体をやっとの思いで引き剥がし、体を起こした。
「分かった…抱いてあげる。」
雅「千陽……さん…?」
彼女の、ブカブカなバスローブの紐をほどき、胸元を露にさせる。
そんなに大きくはないけれど、その形のいい二つの膨らみの頂には、季節外れの雪の下で震えながら本格的な春の訪れを待つ桜の蕾があった。
思わず釘付けになる僕の視線に気づいた彼女が、慌てて両腕を胸の前で交差させる。
「どうしたの?隠したりなんかして?」
雅「だ…だって…そんなじっくり見なくても…」
うっすら頬を染め見上げる目を見ながら両腕をほどく。
「いいじゃない?見ても。」
雅「や…だって恥ずかし…」
「そう?こんなに綺麗なのに?」
年相応に恥じらう彼女の胸の頂を口に含むと、彼女は小さくか細い声で鳴いた。
