
ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第3章 マドンナ・ブルー ②
「ね、君、って…」
圭「圭太、って呼んで下さい。」
「圭太…くん、って、何かしてるの?体鍛える的なこと?」
圭「野球してた。今はしてないけど?」
「何で?」
圭「何で、って…」
「あっ!!ご、ごめん!ヤだよね?会って間もない人間に根掘り葉掘り聞かれるの、って?」
圭「親にやめろ、って言われたんだ。」
「え…?」
圭「野球ばっかしてないで勉強しろ、って?」
彼の声のトーンで、
やっぱり、聞いてはいけなかったのだ、と後悔した。
圭「で、めちゃくちゃ勉強して今の学校に入れたまではよかったんだけど…」
だから…あの時…。
「ごめん…」
圭「何?ごめん、て?」
「なんにも知らないで…」
圭「アンタは間違ったことしてねーじゃん!?」
「でも…。」
圭「見て見ぬふりをする大人が多いご時世に、未成年が堂々とタバコ吸ってたのを注意しただけだろ?」
「そう…だけど…。」
圭「てか、どーでもいいけど、ちゃんと食ってんの?赤ちゃんおんぶしてるみたいに軽いんだけど?」
「し、失礼な!食べてるよ!!これでも!」
圭「ふーん、俺はまた、わざわざ俺に御大層なこと言いにのこのこ出てくるから、霞でも食ってんのかと?」
「かっ…!?」
僕、仙人じゃないし!!
