ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第3章 マドンナ・ブルー ②
「ちょ…ま、待って!!」
ここから僕の家まで大分ある。
そこまで男子が男子に抱っこされて帰る、ってどうなの?
「あっ…あの…と、取り敢えず降ろしてくれない…かな?」
「…いいけど…?立てんの?」
と、地面に降ろしてもらった途端、やっぱり足に力が入らなくてぺしゃりとお尻をついてしまった。
「ごめん…やっぱり…」
俯きながら彼のズボンをつんつんと引っ張った。
でも、彼が抱きかかえようとして、しゃがみながら、僕の背中と膝裏に手を添えようとするのは拒んだ。
「あ…抱っこ、じゃなくて、で…出来れば…」
おんぶで、と、聞こえるか聞こえないぐらいの声で彼に訴えてみせる。
どちらにしろ恥ずかしいことには変わりないけど…。
「おんぶ、ね?」
く、繰り返さなくてもいいじゃん?///
笑いを堪えながら背を向けしゃがみこむ彼にしがみつくと、
意外に筋肉質な体に、ビックリしてしまう。
それに比べて、僕は…
はあ、と、彼の背中の上だと言うことも忘れ、またため息をついてしまった。
「どーしたの?さっきからため息ばっかついちゃって?」
よっこらしょ、と、彼は僕の体の位置を直した。