ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第24章 殉愛
苦し紛れに伸ばした手で掴んだ場所に力を込める。
「ぁ……っ…はぁ…あっ…」
圭太の、体の何処かであることは、汗ばんだ皮膚の感触から何とか察することはできた。
圭「ぐっ…ぅっ…ぁ…」
普段聞かないようなくぐもった圭太の呻き声。
「はぁ……っ…あっ…んっ…」
そしていつも以上の、僕のナカに感じる圭太のモノの圧迫感にボーッとしていた意識が段々はっきりしてきて、
僕の両腕が圭太の首根っこを締め上げているのが見えた。
え……う…嘘!!
圭「ぢ……はる…さ…っ」
ハッとして慌てて手を離すも、意識を失った圭太の体が覆い被さるように倒れ込んできた。
「圭太っ!!」
無意識とはいえ、とんでもないことを…!
僕の上でぐったりする彼を何度も揺するがびくともしない。
そ、そんな…!!
僕は覆い被さっていた筋肉質な体を渾身の力で押し戻し何とかベッドに横たえた。
どうしよう……圭太が…
動転してしまって頭が回らない。
そ、そうだ!!心臓マッサージ!
…って、どうやるんだっけ?
取り敢えず、避難訓練でやっていた場面を、記憶の糸を手繰りよせるように思い出しながらやってみることにした。