
兄と妹
第2章 最悪な再会
「……。」
竜次は無言で私をじっと見つめていた。
返事を聞くのが怖くなってしまった。
「あ…急に言われても困るよね!ごめんね!また返事聞かせてね!。」
私はそう言って屋上を出ようと扉の方を向いた。
その時、竜次から腕を掴まれ、私が振り向いた途端竜次と私の唇が重なった。
この時のキスが私の人生最初のキスだった。
唇が離れ、私は呆然としていた。
「急にキスしてごめん。オレもさ…千紗のこと好きだったんだ…だから…これから彼氏としてよろしくお願いします…。」
私は嬉しくてたまらなかった。
この日から私と竜次は付き合うようになった。
竜次に勉強を教えてもらったり、勉強の息抜きとして2人で色んな所に遊びに行ったり…。
竜次と過ごす日々はそれはもう夢のような時間だった…。
高校が別になってもいつになっても竜次とずっとこのままでいたい。
私はそう思っていた。
だが、そんな日は長く続かなかった。
