
兄と妹
第4章 水族館デート
~千架視点~
「よし、準備できた!こんなものでいいかな?。」
オレは念入りに荷物を確認していた。
もうすぐで集合時間だ、そろそろ出掛けないと。
「じゃあオレ出掛けるから…。多分夕方頃には帰ってくると思うけど…。」
オレはリビングでテレビを観ていた千紗に声をかけた。
千紗はテレビを観ながら行ってらっしゃいと言った。
リビングを出ようとしたその時。
ギュッ
また千紗はオレの服を後ろから引っ張ってきた。
「…あのさ…もしかして彼女と行くの…?。」
千紗はまだ服を掴んでいた。
「え、違うよ!ただの女友達だから!。」
オレは慌てて誤解を解いた。
ここでようやく千紗は手を離した。
「そっかぁ…ごめんね。気をつけて行ってらっしゃい。」
「あっああ…。」
オレは家を出た。
千紗に引っ張られた感覚がなかなか消えなかった。
ダメだ…今から園村と遊びに行くんだから千紗のことは一旦忘れないと…。
オレは無理やり気持ちを切り替え、集合場所に向かった。
