
兄と妹
第6章 初めてのデートは雨模様
服良し!髪型良し!持ち物良し!
…うん、完璧!!
身だしなみを整え、私は千架の部屋に向かった。
コンコンッ
「お兄ちゃ…千架、支度出来たよ!」
はーいと声がし、ドアが開かれた。
中から千架が出てきたが、いつも以上にオシャレだった。
その姿を見ただけでも、私は今日がデートだということが改めて実感できた。
「千紗…。」
お兄ちゃんが突然私に抱きついてきた。
どうしてなのか理解できずにうろたえていた私の耳元で、千架は、
「ごめん、千紗があまりにも可愛いから抱き締めたくなっちゃった…。」
と囁いてきた。
そして千架は私の頬を手の平で包み、ついばむようにキスをしてきた。
そのキスは段々激しくなり、気づけばお互いの舌が絡み合っていた。
「!!ごめん千紗!!さすがに乱暴すぎたね…。」
「ハァ…ハァ…ううん…気に…ハァ…しないで…。」
千架は勢いよく謝ってきたが、私は顔が火照って息を切らしていたので、千架の言葉があまり頭に入らなかった。
10分後、気持ちが落ち着いてきた私達は家を出た。
あまりに素敵なシチュエーションだったので、私は遊園地に着く前から心臓がおかしくなりそうだった。
