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失くした恋の癒し方

第4章 新しい恋

私が寺嶋さんと不倫していたことは誰も知らない。


それだけは、いくら同期で気の合うちあきにも打ち明ける事は出来なかった。



勿論、取引会社の中堅、寺嶋さんの栄転はわが社でも話題になった。


課内でもその話題が出る度に胸が苦しくなり、泣き出しそうになってトイレに駆け込んだ。


「ねぇ…具合が悪い?
最近、顔色が悪いわよ」


ちあきをはじめ、数人から同じ事を言われた。


どうやら自分でも気が付かなかったけど、私は喜怒哀楽がストレートに顔に出てしまうらしい。


それに気付いてからは、極力冷静さを保つように努力した。



新入生歓迎会には何とか出席したものの、課ごとの花見は…

"実家の父の具合が悪くて少しの間、顔を見に行きたいので今回はどうしても出られないんです"


そんな理由を付けて欠席した。




不倫は…


私を嘘の上手な女に変えていた…。



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