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失くした恋の癒し方

第1章 大失恋

まだ、開店間もない午後7時の店内には私しか居ない。


その、誰も居ない時間を見計らうように仕事帰りにこのバーに立ち寄る私。


寺嶋さんと一緒に食べたパスタと、強めのカクテルがいつもの私のお決まりメニュー。


カレを忘れたいのに忘れられなくて、結局ここに来てマスターに愚痴をこぼす方法を思い立った。


自分一人では絶対にカレを忘れることは出来ないと思うと、酔い潰れて死んじゃえば良いと考えた単純な私。


「寺嶋さん、奥さんも娘さんも連れていったもん。
絶対に私が近寄れないようにしたのよ!
結局、私が鬱陶しくなったんだわ!!

好きだって言ってくれなかったし…
私だけが空回りしちゃってて…

…もう…

男なんて、絶対に好きにならないわ。

絶対に恋なんてしない」


自棄になって目の前のオレンジジュースを一気に飲み干した。



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