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失くした恋の癒し方

第1章 大失恋

ここに来ると無性にカレに逢いたくなって辛いくせに、全ての事情を知っているマスターと話しをすると心が安らいだ。


「マスター…
私、どうしたら寺嶋さんを忘れられるかな?」


泣きそうになって、カウンターにオデコを乗っけてボソッと呟く…


「麗華ちゃんはモテるんだから、もっと周りを見てごらん!?
あんな妻子持ち男より、良い男はいっぱい居るだろう!?」


「…――そ……かな…?」


寺嶋さんは特別イケメンではないが、仕事が出来るしスーツが似合い、何より大人の落ち着きがあった。

ハッキリ言って私の中ではどんな男も寺嶋さんには敵わない。


モテた事が災いして、男なんて軽い気持ちで誘うんだと思い込んでたから、恋なんて甘い感情を経験したことが無かった…


だから、こんなにも私が人を好きになれるなんて思いもしなかった…


それほど魅力的で、虜にされた――


本当に愛していた…




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