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失くした恋の癒し方

第4章 新しい恋

谷原さんが室内を歩くと私の視線は彼に向いた。


改めて良く見ると、スリムな品の良いスーツがとても良く似合っている。


髪を自然に流して眼鏡を掛け、テキパキ仕事をこなす彼と、今朝のスポーツウェアの彼とは、同一人物にはとても思えない。


河川敷で会った彼は――

髪を掻き上げ汗を拭く姿が、ドキッとするほどセクシーで、見た目よりもずっと厚い胸板と筋肉質な腕が、Tシャツの上からもわかった。


笑うと片方の頬に現れるエクボの事も、2年間も同じ部屋で働いていながら今日初めて知った。


あんな風に優しい目をしている事も…


少し骨太で長い指も…


今までは知らずにいた…




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