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失くした恋の癒し方

第4章 新しい恋

私は、カクテルを作るマスターを眺めながら、谷原さんの顔を思い浮かべていた…


「新しい恋をすることさ!!
それが出来れば、失恋から立ち直るのはかなり早いよ」


「え…っ!
新しい恋を?

私はまだ…無理かな!?

そんなに直ぐに好きな人なんて出来ないわ…

マスターは、新しい恋をして失恋から立ち直れたの?」


「まぁね!
っていうか、ずっと好きな女性が居たからね。

と言っても、俺の場合は実る筈もない片想いだけどさ!」

少し切なげに笑った…


「片思いですか…
切ないですね…」


こんな素敵なマスターでさえ片想いとは…


恋とはそう簡単に成就するものではないんだな…

なんて考えていたら、カラカラとグラスをステアして(かき混ぜて)私の前にカクテルが置かれた。


「はい、カンパリ・ソーダとチーズです!

渇いた喉にグイッと爽やかにどうぞ!」


小さな泡がパチパチと弾ける爽やかな苦味のカクテル。

一口頂く。


「ん〜っ!!
マスター、グッドチョイス!」


渇いた喉を一気に潤すサッパリ感に思わず親指を立てた。





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