失くした恋の癒し方
第5章 恋の行方
一週間振りのバー。
ましてや遅い時間に行くのはかなり久しぶりだった。
「こんばんは〜っ!」
無駄に明るい挨拶をしてカウンター席に座る。
軽快なジャズの音楽が流れる店内を見回すと、5、6人の客が思い思いにカクテルを楽しんでいた。
「いらっしゃい。
こんな時間に珍しいんじゃない?
どうした?」
優しいマスターの笑顔になぜかとてもホッとした。
「お友だちと食事の帰りなの。
何だか美味しいカクテルが飲みたくなっちゃって来ちゃった」
モヤモヤした気持ちを悟られないように明るく誤魔化したつもりでいたのに
「彼と何かあった…って顔だね」
「……っ!
ち…違います。
ホントに…飲みたくなったのっ!」
完全に焦っている私を面白がるようにお絞りを差し出す。
「なら、良いんだけどさ!何作ろうか?」
「えっ…と…
レッドアイを!」
「はい、畏まりました」
クスッと笑みを浮かべながらカクテルを作り始めたマスター。
流石マスター。
すべてお見通しって感じ
でも、言わなくても伝わっている事が何故か私には心地が良かったりする…
やっぱり癒しの空間だな…
緊張していた心が、ほぐれるような安らぎを感じていた――
ましてや遅い時間に行くのはかなり久しぶりだった。
「こんばんは〜っ!」
無駄に明るい挨拶をしてカウンター席に座る。
軽快なジャズの音楽が流れる店内を見回すと、5、6人の客が思い思いにカクテルを楽しんでいた。
「いらっしゃい。
こんな時間に珍しいんじゃない?
どうした?」
優しいマスターの笑顔になぜかとてもホッとした。
「お友だちと食事の帰りなの。
何だか美味しいカクテルが飲みたくなっちゃって来ちゃった」
モヤモヤした気持ちを悟られないように明るく誤魔化したつもりでいたのに
「彼と何かあった…って顔だね」
「……っ!
ち…違います。
ホントに…飲みたくなったのっ!」
完全に焦っている私を面白がるようにお絞りを差し出す。
「なら、良いんだけどさ!何作ろうか?」
「えっ…と…
レッドアイを!」
「はい、畏まりました」
クスッと笑みを浮かべながらカクテルを作り始めたマスター。
流石マスター。
すべてお見通しって感じ
でも、言わなくても伝わっている事が何故か私には心地が良かったりする…
やっぱり癒しの空間だな…
緊張していた心が、ほぐれるような安らぎを感じていた――