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淡雪

第7章 アイドルの世界

『坂井くん 

 基本ステップが分かってないな
 
 俺と一緒に動いて』


『はい』


俺は田村くんの動きに必死に合わせる。


『じゃ、ゆっくりいくよ』


ワン ツーと言いながら田村くんは俺の足の動きを確認してくれる。


『あ、そこが右から出るからおかしいんだよ。

 そこは一拍ためて左から


 そうそう。できたじゃん』


『あー なるほど!』


田村くんは俺に向かってにっこり笑ってくれた。


『じゃ曲かけて もう一回ね』


『はい』


田村くんは俺に合わせて自分のパートでもない踊りを踊ってくれる。

それでなくても忙しい田村くん。

自分のパートを覚えるだけでも大変だろうに...

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