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淡雪

第8章 出会い

好きなデザイナーの写真集を手に取りレジへ向かった。


途中、高い棚の書籍をとろうと必死に手を伸ばしている女性を見かけた。


『取りましょうか?』

僕は女性に声をかけた。

びっくりした女性が振り向く。

綺麗な人だ。

『あ、すみません。

 お願いできますか?』

女性はにっこり笑って僕を見上げた。

上目使いの表情にドキリとした。

僕は女性に被るように書棚に手を伸ばした。

『これですか?』

女性も一緒になって背伸びする。

彼女の髪から柔らかな香りが届いてなぜか緊張する。

『あ、その右隣の

 そう、それです』

僕は棚から彼女の指差す本を抜き取り彼女に渡した。

『はい、どうぞ』

『ありがとう』

彼女は僕を見上げて嬉しそうに微笑んだ。

彼女のすべてにドキリとする。

『背が高くて羨ましいです』

彼女が本を抱えてにっこり笑う。

『こんな風にお役にたつなら背が高いのも悪くないですね』

僕は自分の口から出た言葉に驚いた。

まるで口説いているみたいだ。

『ありがとう。助かりました』


彼女はお辞儀するとレジへ向かった。

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