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淡雪

第8章 出会い

『あの...

 彼女はその...田村くんの彼女、ですか?』


僕は思いきって疑問を投げる。


田村くんは彼女を優しい目で見つめたあと

俺をみた。


『だとしたら?』


やっぱり...そうか。

なんだ、そうか。

一気に落ちていく...


『今の話に彼女とのこと関係あるの?』


『あ、いえ...』


田村くんは真剣な顔で俺を見た。


『あのさ、俺達が相当お前に気を使ってんのわかる?』


『気を使ってる?』


『そうだよ。ライブのときだってお前のことスゲー押したし、事務所からもお前を試してくれって言われたし』


『俺を、試す?』


ライブのときって遊ばれてると思ってた...


『お前な、自分の売りに気付かなすぎ』


『俺の、売り?

 そう言われても、アイドルなんて自分の人生の選択肢になかったですから...』


田村くんが鋭い目を向ける


『で?今はどうよ』


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