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淡雪

第10章 想いを遂げる

そして渡部さんに告げる。

「渡部さん、実は今回のことがきっかけで僕は彼女に思い出してもらえました。

 渡部さんには申し訳ないのですがとても感謝しています。

 ありがとうございました。

 ですからきっといつか渡部さんのことも...」


渡部さんは微妙な表情で俺を見た。


「そうかもな。

 じゃ、璃子ちゃんのこと宜しく頼む」


そう言って僕の肩を叩いて楽屋へと消えた。


僕はそんな渡部さんの寂しげな背中を黙って見送った。

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