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淡雪

第13章 愛されること

「お前のスキャンダルもゴメンだが

 それ以前にこの業界が

 槙さんを離さないよ」

マネージャーは唇を噛んだ。

「どういう意味?」

マネージャーは俺を見る。

「惚けるな」

「だって分からないから」

俺もマネージャーの顔を覗きこんだ。

「厄介な相手に惚れ込んだな。

 スキャンダルどころかお前がこの業界から消されてもおかしくない相手だよ」

マネージャーの舌打ちと大きな溜め息が聞こえたので、俺は後部座席に深く座った。

「何を言われても彼女を諦めないから。

 やっと彼女が僕に心を開いてくれたんだ。

 芸能界を追放されても

 彼女のことは離さない」

そういう俺の顔をマネージャーはミラー越しに呆れた目で見つめた。


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