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淡雪

第14章 リーク

「で?お前の話はなんだっけ?」

「その...
 璃子さんとのことなんですが...」

僕は本人を前にさらに声が小さくなる。

「覚えてるか?
 お前がアイドルになるか悩んでたとき
 あのときもお前のせて車で話しただろ」

僕の質問など聞こえない風で
田村くんは話し始めた。

「あの時お前聞いたよな

 不思議な力って信じるかって」

ああ...
そんなことあったな

「あの時わかったんだよね。

 お前が探してる相手

 お前のセンチな恋の相手」

「え?
 わかってたんですか?」

田村くんは一瞬僕の方を向いた。

「俺も不思議な力に助けられた一人だから」

え?!

田村くんは前を向いたまま
その横顔は胸を捕まれるように切なかった。

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