淡雪
第14章 リーク
「俺はあの当時もがいてたんだ。
音楽番組が次々となくなってアイドルが歌える場所がなくなっていた。
俺たちが見ていた先輩たちのきらびやかな世界
俺たちもあそこで歌うんだ
っていう至極当然な環境が
気がつけば無くなっていた。
焦ったよ。
なんのために事務所に入ったんだ。
レッスンしてきたんだって。
俺たちのマネージャーはそれこそ局を駆け回り
制作会社に頭を下げ
[なんでもやります]と仕事を探してくれたんだ
当時テレビはアイドルからお笑いへと移行していた。
俺たちは深夜枠を与えられ
それこそお笑いタレントが司会をする番組で
なんでもやった。
アイドルなのに?!
という世間の驚きを無視して
それこそなんでもやったよ」
田村くんは静かにため息をついた。
「それが少しずつ認められてさ
ドラマなんかの仕事も来るようになったんだ。
そこまで何年かかったかな。
お前たちには想像もできないことだよ。
だからといって威張るつもりも説教する気もないよ。
いまJ事務所の評判がいいのは
頑張り続けた先輩たちのプライドを捨てた
努力のお陰だよ」
僕はなにも言えなかった。
音楽番組が次々となくなってアイドルが歌える場所がなくなっていた。
俺たちが見ていた先輩たちのきらびやかな世界
俺たちもあそこで歌うんだ
っていう至極当然な環境が
気がつけば無くなっていた。
焦ったよ。
なんのために事務所に入ったんだ。
レッスンしてきたんだって。
俺たちのマネージャーはそれこそ局を駆け回り
制作会社に頭を下げ
[なんでもやります]と仕事を探してくれたんだ
当時テレビはアイドルからお笑いへと移行していた。
俺たちは深夜枠を与えられ
それこそお笑いタレントが司会をする番組で
なんでもやった。
アイドルなのに?!
という世間の驚きを無視して
それこそなんでもやったよ」
田村くんは静かにため息をついた。
「それが少しずつ認められてさ
ドラマなんかの仕事も来るようになったんだ。
そこまで何年かかったかな。
お前たちには想像もできないことだよ。
だからといって威張るつもりも説教する気もないよ。
いまJ事務所の評判がいいのは
頑張り続けた先輩たちのプライドを捨てた
努力のお陰だよ」
僕はなにも言えなかった。