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淡雪

第16章 崩壊

あれから僕はアナウンス学校に通って発声などの基礎を学んだ。

番組が始まるまでにいろんなスポーツの基礎知識を入れておくようにと
サッカー、テニス、柔道、相撲、スケート...
あらゆるジャンルの競技を見に行き
日本中を飛び回り、海外の試合も観戦した。

おかげでスポーツの知識は深まったが
肝心の璃子さんとの時間がとれない...

僕は月に数日しかマンションに帰ることが出来なくなった...


「璃子さん 大丈夫?」

僕は毎日電話をいれる。

璃子さんは1月のドラマの撮影が始まっている。
久しぶりの仕事だから
疲れている様子は電話からでも感じていた。

「大丈夫。

 久しぶりだからちょっと感覚がまだ掴めないだけだから」


璃子さんは僕に心配させないようにと
わざと明るく話す。

それが余計に心配になる...

大丈夫?


一番近いはずなのに
そばで抱き締めてあげることもできない...


歯がゆかった...


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