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僕は携帯を手にする。

マネージャーにかけるか

誰に連絡をすればいいかも分からず

手にした携帯を見つめていた。


その携帯が鳴った。

相手はマネージャー


「どういうこと？」

僕は冷たく言い放つ。


「坂井　良かったな

　念願の璃子さんとの結婚が叶ったぞ」


マネージャーは僕の言葉にも雰囲気にも反応しない。


「どういうこと？」


僕はもう一度問い返す。


「昨夜キャシーさんとJさんが

　そろそろいいんじゃないかって？

　俺のところに二人がサインをいれた婚姻届を持ってきてくれたんだ。

　すぐに届けようと思ったんだが
　急ぎの用があって

　そしたらキャシーさんが
　特別なことだから自分が二人に届ける
　って言ってくれたからお願いしたんだ。

　すごいぞ賢夢
　Jさんとキャシーさんが認めてサインをしてくれるなんて前代未聞だよ。

　やったな！

　どうだ結婚できた感想は？」


ーーとぼけてんの？

　　ホントに知らないの？


僕はどんどん冷めていく。


「結婚なんて知らない」


僕は無感情に答えた。


「え？

　どういうことだ？」


今度はマネージャーが聞き返す。


「僕が聞きたいよ

　キャシーさんになんて会ってない」


僕の声は低く冷たい。


「ちょ　ちょっと待て

　確認して折り返す」


慌てたマネージャーは電話を切った。