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淡雪

第17章 誓約

「キャシー 少し外しなさい」


Jさんが穏やかに告げた。


キャシーさんは僕を一瞬睨み付けて出ていった。



「賢夢、申し訳ないことをした。

 知らなかったとはいえ

 本当に悪かった」


Jさんは僕に向かって頭を下げた。


僕は何も答えない。


「璃子と別れようと思っていたのか?」


「はい」


「ケンカでもしたか?」


J さんは静かに聞いた。


「いえ。

 キャシーさんがあまりに仕事をいれるので

 璃子さんは倒れてしまい

 いま入院しています。


 キャシーさんに抗議しても聞き入れて貰えなかった。


 あまりにつらそうな璃子さんを見ていられなくて...


 僕のせいでこうなってしまったのなら


 いっそのこと別れた方が幸せなんじゃないかって...


 
 苦渋の決断ですよ」


僕はJさんを睨むように言った。




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