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淡雪

第18章 結婚の波紋

小箱から指輪を取り出して


璃子さんの手を取り


薬指にそっとはめた。



その指輪はまるでシンデレラのガラスの靴のように


ピタリ


と彼女の指に収まった。



ーーうそ...だろ?!



まるで魔法...


はめた僕がビックリして指輪を見つめてしまう。



「ぴったりだね


 ありがとう」


璃子さんも指輪を見つめて呟いた。


「ラピスラズリ...

 私の好きな石

 知っててくれたの?」


璃子さんが不思議そうに僕を見つめる。


僕は小さく首を振る。


「お店の人に教えてもらったんだ。

 アメジストとラピスラズリの組み合わせは

 災いから護ってくれるって」


「そうなんだ...」


璃子さんは指輪を見つめている。


「僕の気持ちも込めたから。

 きっと璃子さんを護ってくれる」


僕は指輪とともにその手を包み込んだ。


「ずっと 僕のそばにいてくれる?」



璃子さんははにかむように頷いた。



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