淡雪
第18章 結婚の波紋
「高校生のとき坂井くんを助けたでしょ。
あのとき少し力を使いすぎて半年以上意識が戻らなかったの。
しかも目覚めたときは坂井くんを覚えていなかった。
撮影所で会ったとき、私何も覚えてなかったからしつこい人だなってあんまり良い印象なかったんだよね」
璃子はクスクス笑っている。
「そのあと、また力を使って数ヶ月意識が戻らなかったんたけど、目覚めたら坂井くんのこと思い出してた。
兄が言うにはそれは奇跡的なことなんだって
坂井くんその数ヶ月の間、毎日お見舞いに来てくれていたみたいで...」
璃子は顔をあげて僕を見つめた。
「陵ちゃんの言う通り
私は誰とも結婚するつもりはなかったの。
こんな私だから迷惑かけるでしょ。
だけど...
退院が決まった私を強引にマンションに連れていったり
とにかく離してくれなかった」
そう言ってまた笑う。
「根負け...かな。
ずっと力のこともあったから
誰かと特別な関係になることを避けてきた。
坂井くんとも別れるつもりでいたわ
だけどね、坂井くんが言うのよ
『また璃子さんが僕を忘れても
必ず璃子さんを見つけ出すから』って
なんかね、それを聞いたら
良いかなって。
信じても、幸せになっても良いかなって
思うようになったの」
俺を見つめて柔らかく微笑む。
「そっか...」
俺はそれしか答えられなかった。
完敗...かな
あのとき少し力を使いすぎて半年以上意識が戻らなかったの。
しかも目覚めたときは坂井くんを覚えていなかった。
撮影所で会ったとき、私何も覚えてなかったからしつこい人だなってあんまり良い印象なかったんだよね」
璃子はクスクス笑っている。
「そのあと、また力を使って数ヶ月意識が戻らなかったんたけど、目覚めたら坂井くんのこと思い出してた。
兄が言うにはそれは奇跡的なことなんだって
坂井くんその数ヶ月の間、毎日お見舞いに来てくれていたみたいで...」
璃子は顔をあげて僕を見つめた。
「陵ちゃんの言う通り
私は誰とも結婚するつもりはなかったの。
こんな私だから迷惑かけるでしょ。
だけど...
退院が決まった私を強引にマンションに連れていったり
とにかく離してくれなかった」
そう言ってまた笑う。
「根負け...かな。
ずっと力のこともあったから
誰かと特別な関係になることを避けてきた。
坂井くんとも別れるつもりでいたわ
だけどね、坂井くんが言うのよ
『また璃子さんが僕を忘れても
必ず璃子さんを見つけ出すから』って
なんかね、それを聞いたら
良いかなって。
信じても、幸せになっても良いかなって
思うようになったの」
俺を見つめて柔らかく微笑む。
「そっか...」
俺はそれしか答えられなかった。
完敗...かな