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淡雪

第3章 魔性の彼女

駐車場はすぐそこなのに激しい雨足はあっという間に僕らの肩を濡らす。


僕は槙さんの肩を抱き寄せた。


一瞬槙さんがビクリと動いたけどさらにグッと引き寄せた。


「濡れちゃうから」


「あ、ありがとう」


「車どれ?」


「あ、あの赤いビートル」


車のところまで行き後部座席に荷物を積み込んだ。



ああ...
もう だめだ...


抑えきれない...


僕は傘を入口から見られないように盾にして槙さんを抱き締め唇を奪う。

槙さんの顔に大粒の雨があたり唇に流れ着く。

僕の興奮し彼女の唇を貪る水音は雨音に掻き消され二人だけの世界へと引き込む。


槙さんは僕にされるがまま呆然と立ち尽くしている。

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