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淡雪

第3章 魔性の彼女

ある日の撮影終わり。

僕はスタジオの外で川名さんの迎えを待っていた。

雨足がかなり強くなりしぶきが跳ねて僕の靴を濡らしていた。

僕はそこから動くこともせず虚ろに雨を眺めていた。


「あー かなり降ってるね」


僕のとなりに立ち両手にメイク道具を下げた槙さんが現れた。


!!!


「まいったな。車に行くまでにずぶ濡れになっちゃうな」


槙さんは叩きつけるように降る雨を見ながら溜め息をついた。


「車まで一緒にいきますよ」


僕は槙さんに手にしていた傘を掲げて見せた。

「ほんと?!助かる

 お願いしちゃおうかな」


「もちろん」


僕はバッと傘を広げて槙さんの上に差した。

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