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淡雪

第21章 陵ちゃんの幸せ

「璃子さーん」
なんて感動の再会はなく、空港に璃子さんの迎えがある、訳がない。

空港からタクシーに乗りコレクション会場へ。
2日後に迫ったコレクションに会場はピリピリしている。
ステージの設営にアートディレクターの檄が飛ぶ。
スーツケースもその辺に放置してフィッティングが始まる。
今日は軽いフィッティングのみ。
明日は本番さながらのリハーサルが始まる。
バックヤードで璃子さんを探す。
璃子さんはヘアデザイナーと打ち合わせをしている。まだまだかかりそうだ。
俺は自分のフィッティングが終わるとホテルへと戻った。


翌日はアートディレクターによる説明のあとヘアメイクと衣装を着て本番さながらのランウェイ。照明や音響に合わせて衣装がどう見えるか。歩く速度でも変わる服の印象。照明の色や彩度を微調整してデザイナーの表現を具現化していく。
アートディレクターの細かな指示が飛び、何度も歩くランウェイ。
衣装によって変わる髪色、メイク。
バックヤードはモデルとスタッフで入り乱れる。

調整は深夜にまで及び足に合わない靴でマメがつぶれる始末。クタクタに疲れてホテルのベッドにダイブする。
モデルってほんと体力勝負だ。



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