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淡雪

第1章 15の春

「あら、恋したことないの?」


「いや、彼女はいるんですが

 それが恋なのかはわからない...」


僕はいつもより饒舌になっていた。


「彼女といてドキドキしないの?」


「え...かわいいなぁ。とかは思うけど

 ドキドキはしないかも」


すっかり彼女のペースで普段は誰にも話さないことも話している。

でも悪い気はしない。

むしろ楽しいかも。


「あら残念。もったいないわよ。

 恋しなさいな。

 ドキドキして、キュンとして

 逢いたくて堪らないって恋」


「槇さんはそんな恋してるの?」


初対面の彼女になんでこんなこと聞いているんだろう。

でも聞きたい。

彼女のこと知りたいんだ。


「ないしょ♪」


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